介護の仕事と聞くと、やりがい以上に仕事が大変だという、ネガティブなイメージが持たれがちです。実際に介護の仕事をしている方であれば御存知のように、身体介護は体力が必要ですし、認知症介護の忍耐力と柔軟性が求められます。
体力的にも精神的にも大変な仕事内容だと思われがちで、一般的にも敬遠されがちですが、実際どうなのでしょうか。
やはり体力的には大変です。中腰になって業務・介護をする場面が多く、身体的な疲労・腰痛からくる痛みなどは職業病といえます。
介護の仕事は日中の他にも夜勤もあり、現在は夜勤もできないと就職できない地域が多いので日勤・夜勤と両立するのは身体的にも精神的にも大変といえるでしょう。年齢を重ねても健康で仕事するにはセルフコントロールが必要になるわけです。
介護の仕事をしたことがない人は、排泄介助や入浴介助といった、身体的な介護が主な業務内容だとイメージしがちです。
もちろん、実際は排泄介助や入浴介助、食事介助といった、生活に必要な機能を介助する場面はたくさんあります。
しかし、それらの介助を行うこと自体よりも、介助を通して利用者一人一人と関わっていくことが、介護士の最も大切な仕事だと言われています。
例えば、半身麻痺のある人の入浴介助に携わる場合、その人が自分で洗うことが難しいような部分は、介護士が介助します。その際に、黙々と体を洗う介護士がいます。
もちろん、利用者には個別性があるので、話しかけられるのは好まないという方もいるでしょう。
しかし、普段できないような会話をできる機会として捉え、皮膚の異常を発見したり、日常生活の不安を聞き出せる場面でもあります。
このように、介護と一言で言っても、質の高い介護を行うには高い観察力や知識が求められるのです。
大変な面だけに焦点を当てると、介護だけではなく他の仕事でも、大変だというネガティブなイメージが持てます。
介護職も、他の仕事と同様に大変なこともたくさんあります。
それを考慮したとしても、誰かのために役に立てるということと、仕事のやりがいを知れば、介護職に対するイメージも変わってきます。
イメージを抱くことは簡単ですが、実際に働いてみないと得られない達成感ややりがいは、イメージでは実感することが出来ません。
介護士の人数は、まだまだ足りていません。
出来るだけ多くの人が介護職に興味を抱き、日本の福祉レベルを向上させるために働いてくれることが期待されています。